ソフトクリームと飛行機雲
桂林の人々は、結構気軽にここでソフトクリームを買って
楽しんでいます。亜熱帯で、この時期既に連日が真夏日の
桂林では、ごく普通の風景です。
オーソドックスなバニラの他に、季節などで限定フレーバーが
発売されるのですが、今は「ニューヨークチーズケーキ」です。
私も買ってみました。
実は、私の前に一団の先客がいまして、うちの学生たちと
同年齢に見えた男女混合の彼らは、全員カモフラージュ・ウェア
を着ていました。大学生たちも、軍事訓練の時にこれを来ますので、
一瞬「学生?」と思ったのですが、その中の女性の肩章が目にとまりました。
「中国人民解放軍☆空軍」。そう、本物の軍人さんたちだったのです。
その彼らが、ニューヨークチーズケーキ味のソフトクリームを買い、
うれしそうに、そして楽しそうに食べながら歩いて行く様を見て、
何かしみじみとしたものを考えてしまいました。
・・・日本のおまわりさんや、自衛官はそれとわかる服装で
あんなに楽しそうにソフトクリームを買って食べながら
歩けないよなぁ。
救急隊員が食事しているだけで責められる日本だからなぁ。
人権がないって、一体どこの国の話なんだ?
そんなことを考えながら、ふと桂林の空を見上げると、
こんな飛行機雲が。実は桂林には、かつて軍民共用で使われていた
「桂林空港」がありまして、現在の「両江国際空港」ができるまでは
民間機と軍用機が滑走路脇に並んでいました。
その空港も、現在は空軍専用となり、
空軍学校の学生たちも桂林の空で練習しているのです。
今日の飛行機雲の様子には、桂林の人々も驚いたようで
多くの人が空に携帯電話を向けていました。
この飛行機雲に、
あのソフトクリームを食べていた空軍の若者たちの
笑顔を思い出す、私なのでした。