泣くのは嫌だ 笑っちゃおう

イメージ 1

イメージ 2

           連続テレビ小説ひよっこ』、第二週のサブタイトルは

           「泣くのはいやだ 笑っちゃおう」でした。

           これは、かつてのNHK人形劇『ひょっこりひょうたん島』の

           主題歌の歌詞からとられたものです。


           第二週は谷田部家の父が再び東京へ出稼ぎに出たものの、

           荷物を置いて失踪するという内容でした。



           「泣くのはいやだ 笑っちゃおう」は子どもの希望にあふれた歌詞です。


           しかし・・・。

           『ひょっこりひょうたん島』には、制作時に秘密にされ、

           原作者の井上ひさし山元護久とディレクターしか知らないことが

           ありました。


           それは、

           サンデー先生と5人の子どもたちは、ひょっこりひょうたん島

           遠足に来たときに噴火に巻き込まれ、既に死亡している。

           という設定です。


           原作者たちは家庭の事情で、親に頼れない子ども時代を送ったそうです。

           『ひょっこりひょうたん島』は、飢えという問題を回避し、

           親や大人に絶望した上で子どもたちの明るさを描くユートピアであり、

           そのために登場人物を全員「死んでしまった子どもたち」と設定して

           物語を作っていったのだそうです。

           残念ながら古い作品でビデオテープが消去されたため、全話を見ることは

           できませんが、脚本は残っています。そこには、「死後の世界」である

           ことを表すものがいくつか登場しています。無論、当時視聴していた

           子どもである私たちにははっきりわからなかったのですが。



           『ひよっこ』第二週の明るいサブタイトル

            「泣くのはいやだ 笑っちゃおう」の裏に隠れているのが

           親や大人に対する絶望なのだと思うと、

           何ともいえない気持ちになりますね。

           物語の時代背景、昭和39年は

           まだまだ日本は決して豊かとはいえず、戦争の記憶が残る時代だったのだと

           大人になった今、あらためて考えてしまいました。