いつもと同じ日を作り上げる努力
9月18日が、日中の歴史においてどのような日かは、
既に多くの方が報道等でご存知だろうと思います。
その日を前に、中国の大手検索サイト「百度(バイ ドゥ)」では
いつものこのシンボルロゴが、
こういったものに変えられていました。(現在は元に戻っています。)
最も激しい反日行動が予想されるとされたこの日。さすかに家から
出てバスに乗り、キャンパスに着くまで気が抜けませんでした。
いつもと同じように一日を過ごして行くのに、こんなに気を遣った日は
そう多くはないと思います。
今年卒業した学生のスピーチで、日本語専攻と言ったら、
「まったく今の若者は!愛国心を持て!」と言われたというのがありました。
どんな思いで私の前に座っているのでしょうか。
家族をはじめ、周囲から「日本語専攻」ということを否定的に
とらえられている可能性は大きいでしょう。自分が日本語を学ぶ意味や
将来への展望が見えなくなった学生も多いはずです。
そうした不安があっても、私たちは授業をするしかないのです。
反日デモを理由に、私が授業を休むことは彼らの希望を奪うことに
なりかねない。そんな思いもありました。
いつもと同じ日を作り上げる努力も、あるときは必要なのです。
幸い、授業を終えて無事家にたどり着くことができました。
努力を共にしてくれた、学生たちと大学スタッフに感謝します。